ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。
よくお客様から、
給湯器の系統数って何ですか?
家に床暖は2ヶ所しかないのですが、床暖3系統対応の給湯器に交換しても大丈夫ですか?
こういった質問を頂きます。
ということで、今日は「給湯器の系統数とは?」についてお話します。
そもそも給湯器において「系統数」という言葉が関係するのは、浴室暖房乾燥機や、床暖房といった温水用の暖房機器がからむときだけなんです。
そして、冒頭の質問にお答えしますが、家に床暖が2ヶ所なら床暖房3系統対応の給湯器に交換してもよいか?
答えは「ダメな場合もある」です。
理由は、床暖2ヶ所=床暖2系統ではないからです。床暖房の系統数は給湯器の暖房低温接続口に何本配管がつながっているかで判断します。
床暖2ヶ所とは、床暖リモコンが2個or床暖が2ヶ所制御できるリモコンが1個という意味です。制御できるのは2ヶ所だけど、1ヶ所につきマットが2枚あったりすることもあります。そうなると、床暖を制御できるのは2ヶ所だけどマットは4枚あるから、4系統ということになります。
ただ、マットが何枚敷いてあるかは、床をめくってみないと分からないので、
それを判断する材料が配管の数、ということです。
給湯器にはさまざまな配管がつながっていますが、外付け熱動弁の場合は「低」と書いてある接続口、3P内蔵の場合は手前の小さい3個並んだ接続口、6P内蔵の場合は手前の小さい6個並んだ接続口に何本配管がつながっているかで、床暖の系統数を判断します。
4本配管がつながっていたら4系統ということになります^ ^
【↓写真①】これは6P内蔵の給湯器で、手前の低温接続口に3本配管がつながっているので、
床暖房3系統です。
【↓写真②】これは3P内蔵の給湯器で、手前の低温接続口に2本配管がつながっているので、
床暖房2系統です。
【↓写真③】これは6P内蔵の給湯器で、手前の低温接続口には6個全て止水栓をつけているので、
床暖房0系統です(浴室暖房のみの現場でした)。
もし給湯器の交換品をネットで購入予定で、選定に悩んでいる方がおられたら、この写真をもとに、ご自宅の給湯器を下からのぞいてみてください!
もし、現状6P内蔵の給湯器だけど、2本しか床暖の配管がつながっていないなら、3P内蔵にしても問題ありません。定価で約6000円ほど安く済みます。
ちなみにガス給湯器の二大メーカーでいうと代表品番は下記になります。
【ノーリツの場合】
・GTH-2444AWX6H-1 BL →2温度6P内蔵
・GTH-2444AWX3H-1 BL →2温度3P内蔵
・GTH-2444AWXD-1 BL →2温度外付け熱動弁
・GTH-2444AWX-1 BL →1温度
【リンナイの場合】
・RUFH-A2400AW2-6 →2温度6P内蔵
・RUFH-A2400AW2-3 →2温度3P内蔵
・RUFH-A2400AW2-1 →2温度外付け熱動弁
・RUFH-A2400AW →1温度
【用語解説】
・2温度:高温水(80℃)の暖房機器にも低温水(60℃〜40℃)の暖房機器にも両方対応している給湯器
・1温度:高温水(80℃)の暖房機器にのみ対応している給湯器
・高温水の暖房機器:浴室暖房乾燥機、ルームヒーター、ファンコンベクター、パネルヒーター等
・低温水の暖房機器:床暖房等
・外付け熱動弁:床暖房を動かす為の熱動弁を給湯器の外側に付けなくてはいけない機種
・3Pヘッダー内蔵:床暖房を3系統まで接続できる熱動弁を内蔵している機種
・6Pヘッダー内蔵:床暖房を6系統まで接続できる熱動弁を内蔵している機種
そもそも熱動弁とは?
→熱動弁とは、給湯器の基盤から出す電気(熱)に反応して、開けたり閉めたりできる弁の部材のこと。
温水式床暖マットは非常にシンプルな構造をしているんです。
実は、φ5の配管が張り巡らされているだけの発泡スチロール板をアルミシートで覆っているだけなんです^ ^
このφ5の配管の中に温水が流れれば、ポカポカと温まる→発泡スチロールで保温しながら→熱伝導性の高いアルミを通して、床材に熱を伝えている という流れです。
なので、マット側に温度制御の機能がないため、熱動弁で開けたり閉めたりして温度制御を行っているということです。
※ちなみに、高温側の接続口には熱動弁はいりません。暖房機器側(浴室暖房等)に熱動弁がついているからです。
※この記事は、電気式の浴室暖房や、電気式の床暖は関係ありません。あくまでも「温水式」=給湯器からお湯を循環させて使う暖房機器が対象です。
今日の話は以上となります。
また日常のためになる話を発信していきますね。
気になることがありましたら、いつでも質問してください。