エネファームは売電できない?【結論:ガス会社によります】




 

ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。

 

エネファームって発電できるけど、売電はできるの?

という質問を多くのお客様からいただきます。

 

結論としては、

エネファームの売電は、大阪ガス静岡ガス広島ガスなど一部のガス会社のみが行っています。その他のガス会社(東京ガス東邦ガス西部ガスなどは太陽光との同時設置(ダブル発電)の時のみ売電ができます

 

 

詳しく解説していきます。

 




目次

エネファームの仕組み(売電をしない場合)

出典:東京ガス(アイシン製エネファームの仕組み)

 

ご家庭の電気使用量にあわせて自動で賢く発電します。

 

アイシン製エネファームを例にすると、最大700Wまで発電できますので、

 

・家で1000W電気を使う場合、700Wはエネファームによる自家発電+300Wは電力会社から購入

・家で500W電気を使う場合、必要な500Wだけエネファームが自家発電+電力会社からの購入は0W

 

となります。

 

エネファームは、ご家庭の電気とお湯の使用パターンを学習する機能を搭載しているので、必要な電気とお湯の量の予測にあわせて、自動で運転し、省エネに貢献します。

 

 

エネファームの仕組み(売電できるガス会社の場合)

出典:大阪ガス(アイシン製エネファームの仕組み)

 

大阪ガスなどの売電できるガス会社の場合、家の電気使用量にかかわらず、24時間定格運転を行うことで発電効率を高め余った分は売電することができます

 

売電により、発電した電気はムダなく利用することができます。

 

常に700Wの発電量(アイシン製の場合)をキープすることで、仮に家で500Wしか使用していなければ、残りの200Wは売電にまわせるということです。

 

ちなみに売電をする場合には、各ガス会社の「エネファーム余剰電力買取サービス」に申込みをして頂く必要があります。

 

※発電する時間やつくるお湯の量、省エネへの貢献度合いは、ご家庭の家族構成・生活パターンや季節の違いによって異なります。

 

エネファームの売電はメリットがあるのか?

結論から言うと、

 

経済性のメリットはほとんどありません

 

※ただし、「売電のメリットがほぼない」というだけでエネファーム自体はメリットのある商品ということは誤解しないでください。

 

大阪ガスを例に説明します。

 

大阪ガスがエネファームの余剰電力の買取を行っていますが、買取単価(基準単価)は1KWhあたり10.74円。

 

700Whで換算すると7.518円。

 

700Whの発電に使う都市ガス量は、大阪ガスの標準単価で計算すると、約0.155㎥=約22.32円のガス代がかかります。(出典:パナソニック「700Whの電力量を発電するのにどれくらいの燃料(都市ガス、LPガス)が必要ですか?」

 

ここからマイホーム発電料金の割引が最大9%入ったとしても、20.31円。

 

つまり20.31円のガス代を使って、7.518円の電気を売電することになるので、売電をしても経済的メリットはないということです。

 

※大阪ガスのカタログ値では、売電をしたほうが年間の光熱費が6,000円お得になるとされていますが、かなりいい条件で試算しているはずなので、そこまでメリットが出るのかは疑問です。

 

そもそもエネファームは定価で300万円以上。工事費込みの購入価格で150〜160万円します。

 

はっきり言って、元がとれる商品ではありません。

経済性(初期費用とランニングコストの費用対効果)を求めるなら、エコジョーズハイブリッド給湯器を買うべきです。

 

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エコジョーズなら20〜30万円、ハイブリッド給湯器なら50〜60万円で手に入ります。エネファームの場合、そこから100万円以上初期投資するわけです。

 

エネファームの最大のメリットは何か?

出典:京葉ガス

 

エネファームの最大の良さは

「停電時でも最大700Wの電気が使えるという非常時の対応力です。

 

エネファームの停電時に関する記事は別記事でまとめましたので、下記を参考にしてください。

 

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ダブル発電とは?

出典:大阪ガス

 

ダブル発電とは、エネファーム等の自家発電設備太陽光発電(10kW未満)の両方を設置したもので、その名の通り「発電システムを2種類設置している」状態をさします。

 

エネファームと太陽光発電システムは相性が良く、新築住宅でも多く採用されています。

 

ダブル発電の場合には、エネファームで発電して作った電気を、自宅で使う電気消費に優先的にまわしてくれるようにプログラムされています。

 

つまり、太陽光発電によって作った電気をより多く売電にまわせるということです。

 

まとめ

・エネファーム単体での売電は一部のガス会社のみが行なっている
・エネファームの売電によるメリットは少ない

 

エネファームの売電によるメリットはほぼありませんが、停電時の自家発電に魅力を感じるかどうかで購入を検討してもらえたらと思います。

 

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今日の話は以上となります。

 

気になることがあったらいつでも質問してくださいね。

 




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この記事を書いた人

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン。2児の父。これまでガス機器を10,000台以上販売。その経験を活かし、ブログで日常生活のタメになる情報を発信中。

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