給湯器のフルオートとセミオートの違い【結論:フルオートに4点メリットあり】




 

ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。

 

この記事では給湯器のフルオート(全自動)とセミオート(自動)の違いについて説明します。

 

※本ブログではセミオートを「オート」と表現しています。「オート」でカタログ掲載しているメーカーが多いためです。

 

全自動である「フルオート」に対して、分かりやすく対比するために半分・準という意味であるセミ(Semi)をつけて「セミオート」と昔は呼ばれておりました。

 

さて本題ですが、

よく給湯器交換の際に、こんな質問をいただきます。

 

違いが分からん。安い方でいいよ。

今までと同じ機能でいいよ

多くのガス屋さんが今さらこの違いを説明しません。

 

なのでユーザーさんは言われるがまま商品を買ってしまってるケースも非常に多いです。

 

ちなみにセミオートの方が定価設定が安く、フルオートと比べると販売価格で、
大体2万円くらいの価格差があります

市場では値段だけを見てオートを買う方が多く、ガス給湯器市場全体の約7割がオートタイプと言われております。

 

ですが、フルオートのメリットを知らずにオートを購入してしまい、あとからクレームになったという経験がキュウタにはあります。。

 

この記事を見て頂いてるみなさんには、ぜひ商品の理解を深めていただき、そのうえで給湯器購入時の参考にしていただけたらと思います。




目次

フルオートのメリット4選

①自動配管クリーン機能

これは浴槽にためたお湯を排水する際に、お湯はり(追いだき)の配管に熱いお湯を数リットル流すことで配管内にたまった汚れを洗い落としてくれる機能です。

追いだき配管はどのくらい汚いのか?

出典:おそうじ本舗

上記は、ルミテスター(キッコーマン製)と呼ばれる検査キットで測定した
雑菌や汚れを数値化したものです。

これを見てわかるのは、

追いだき配管は、トイレの床の約7倍汚れている!!ということです

毎日使っていると人間の皮脂や汚れ、入浴剤等が蓄積されていきます。

それを毎日の排水時に自動的に数リットル熱い湯を流すことで、毎日キレイなお湯でお風呂に入ることができます。


出典:Rinnai

配管クリーンを使えば、残ったお湯の一般細菌を3分の1以下にすることができます!

出典:Noritz

ノーリツの場合は、入浴人数、ふろ湯温、気温を考慮して、配管クリーン時の湯温・湯量を自動調整してくれる機能がついております。

追いだき配管はきれいに!かつ経済的に!ということですね^ ^

②残り湯の沸かし直しでも設定水位でお湯はり可能

みなさんは前日の残り湯を次の日にも使われてますか?

もしくは残り湯は節水のために洗濯に使われるという方も多いと思いますが、
フルオートなら次の日に残り湯がある状態でお湯はりをしても設定水位でピタッと止めてくれます。

これは機能の違いによるものです。

 

オートタイプ:水量センサーを内蔵

→例えば湯量を「200L」というリッター数で設定します。

もし残り湯が100Lある状態で「ふろ自動(お湯はり)」ボタンを押せば、200L+前日の残り湯100L=浴槽には300Lのお湯がたまることになります。

 

フルオートタイプ:水位センサーを内蔵

→湯量を水位で計算します。リモコンの表示上は1~11の数字が表示され、「6」が浴槽の真ん中あたりの基準値として「7」なら「6」の水位+2cm、「8」なら「6」の水位+4cmというふうに量ではなく水位を測定できます。お風呂にためたお湯の圧を感じ取ることができるんです

上記のような仕組みから仮にお湯が100L残っていたとしても、「ふろ自動(お湯はり)」ボタンを押せば設定水位でピタッと止めることができます。

 

③ごきげんオート(自動沸きあげ)


出典:Rinnai

人が入浴したことを検知し、ぬるいと感じる前に自動で沸き上げます。

フルオートタイプなら浴槽に人が入ったことを自動で検知できるため、冬場に冷えた体で入ったときや、二番湯以降の入浴でお湯がぬるくなっているときなどは自動でわきあげるので非常に快適です。

 

④自動たし湯機能

前に入った人がお湯を使って減ってしまっても、水位が下がったことを自動で検知。設定水位まで自動でたし湯を行います。浴室に入ったあとに「お湯が少ない」と困ることもありません。

 

【補足】保温機能について

補足として、保温機能に関するフルオート、オートの違いと、メーカーによる違いを紹介します。

【フルオートの場合】

●ノーリツ→「フレックス保温」
センサーが人の入浴をチェック。保温運転の間隔を短くし、いつも快適な温度で入浴できます

●リンナイ→「入浴沸きあげ(フルオート独自機能)」
設定温度より低め(-2℃)に湯はり。入浴を検知すると設定温度まで沸きあげます。ヒートショック対策にうれしい機能です

 

【オートタイプの場合】

●ノーリツ→浴槽の湯温低下に応じて「自動追いだき」を行う保温間隔を20分、45分、60分と可変させ、効率的な保温と省エネルギーを図ります。

●リンナイ→約30分ごとに浴槽の湯温をきめ細かくチェックして保温運転を行います。特に冷めやすい冬場に効果を発揮します。※リンナイはフルオートの場合でも、同様の保温方式となります。

 

【補足】代表品番

【ノーリツの場合】

フルオート:末尾がAWXまたはARXとなります

オート:末尾がSAWXまたはSARXとなります。

例①:GT-C2462SAWX →オートタイプ
例②:GTH-2444AWXD-T →フルオートタイプ

【リンナイの場合】

フルオート:末尾がAXまたはAGとなります

オート:末尾がSAWまたはSAGとなります

例③:RUF-E2406SAW →オートタイプ
例④:RUFH-E2406AW2-6 →フルオートタイプ

※このときの「S」はセミ(Semi)を意味します。半分・準という意味ですね。
昔はオートのことを「セミオート」と呼んでいた時代があったためです。

 

今日の話は以上となります。

もし分からないことがありましたら、いつでも質問してくださいね^ ^

 




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この記事を書いた人

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン。2児の父。これまでガス機器を10,000台以上販売。その経験を活かし、ブログで日常生活のタメになる情報を発信中。

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