レンジフードとコンロの離隔距離【消防法で決まっています】




ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。

 

レンジフードは毎日使う必須アイテム。長年使っていると生活スタイルも変わり、高さが気になる方もいらっしゃると思います。

 

レンジフード交換時に設置高さを変える場合には「消防法」を気にしないといけません。

 

詳しく解説していきます。

 




目次

レンジフードとは

出典:富士工業

 

レンジフードとは、キッチンのガスコンロの上に設置された換気扇のことです。

 

「換気扇」だけだと、お風呂や脱衣場やトイレなど、広く使われる換気設備の総称になってしまうので、厨房用の換気扇=レンジフードという認識で大丈夫です。

 

レンジフードは、換気扇がフードで覆われているので、調理時に出る蒸気や匂いが換気扇に誘導されやすくなり、効率的に排煙ができる仕組みをとっています。

 

一般的にレンジフードの使用年数は10年前後と言われています。

 

自宅のレンジフードが使用年数を経過しており、音がうるさい、吸い込みが弱い、といった症状が出てきたら買い替えのサインです。

 

レンジフードはコンロから80〜100cmの高さに設置が必要

出典:富士工業

 

レンジフード交換時に、
高さを変更したいという方に知っておいて頂きたいのが法律で定められた設置基準です。

 

キッチンのレンジフードは建築基準法の規定により、加熱機器から排気口フード下端までの高さを100cm以下にしなければなりません。また、消防法の規定で、ガスコンロやグリルの位置からの高さは80cm以上と定められています。

 

つまりレンジフードは、コンロなどから80~100㎝の範囲で設置する必要があるということです。

 

レンジフードの幅はコンロ天板以上の幅にしないといけない

出典:Noritz

 

火災予防条例(東京都条例第65号) より抜粋
「レンジフード本体の幅及び奥行きは、調理器具の幅及び奥行きの寸法以上とすること」
とあります。

 

つまりコンロやIHヒーターの天板と同じかそれより大きいサイズのレンジフードを使用しなくてはならないという法令です。

 

家庭用レンジフードの規格は3種類(60cm・75cm・90cm)、コンロの天板サイズは2種類(60cm・75cm)なので、組み合わせとしては下記になります。

 

・コンロ天板60cm → レンジフードは60cm・75cm・90cmならOK

・コンロ天板75cm → レンジフードは75cm・90cmならOK

・コンロ天板75cm → レンジフード60cmはダメ!

 

まずは天板の寸法を確認し、それ以上のサイズのレンジフードを選びましょう。

 

レンジフード交換時に設置高さを変えることはできるか?

 

結論としては、多少なら高さは変えられるが大幅に変えるなら大工工事・設備工事がからむためおススメしないということです。

 

レンジフードの高さを変えたいという方の中で多いのが、

 

「今まで親御さんが台所に立つことが多かったが、(年をとるにつれ)娘さんが台所に立つ機会が増えたため、高さをもう少し上げたい」        

 

とか

「親御さんが体が悪くなってきて、あまり高いところに手が届かなくなってきたため、高さをもう少し下げたい」        

 

などです。

 

それぞれのご家庭の事情があるため、出来るだけ要望を叶えてあげたいところです!

でも限界があることも知っておいていただきたいです。

 

例えば、

レンジフードを上に上げる場合、正面のキッチンパネルやタイルに関して、今まで隠れていた部分が見えてくることになります。

 

多少の上がり幅であれば、そんなに気にならないでしょうが、5cm〜10cm以上あげてしまうと
タイルやキッチンパネル自体貼られていない下地部分が見えてきてしまいます。

 

当然タイルやキッチンパネルを貼り直すとなれば、大工工事になるため高額な工事代がかかることになります。

 

設置高さに関して大幅な変更をしたいのであれば、キッチンまるごとのリフォームをご検討ください。

 

高さを変えたいなら、ガスコンロかIHかも気にしておくべし

出典:Panasonic

 

レンジフードの高さを変えたいなら、今お使いの加熱機器が、ガスコンロかIHヒーターかによってもポイントが変わってきます。

 

「ガスコンロ」の場合は実際に火が出ますので、調理中に上昇気流が発生するため比較的上の方にレンジフードを設置しても問題ありません

 

「IHヒーター」は商品の性質上、火が出ないため、上昇気流が起こることはありません。

 

そのため、IHを使うときのレンジフードの高さは、換気効率を上げるために、ガスコンロの場合よりも低めにする方がよいというのが一般的です。

 

まとめ

・レンジフードとは、コンロ上にある厨房用の換気扇のこと
・レンジフードは、加熱機器から80cm〜100cmの高さに設置しなければならない
・レンジフードの幅は、コンロ天板以上の幅にしないといけない
・レンジフード交換時に、設置高さを大幅に変えるなら他の工事がからんでくる

 

レンジフードは調理中に目の前にあるものですから、どうしても高さが気になります。

 

高さを決める際には、最寄りのキッチンメーカーのショールームでレンジフードの高さを実際に感じてみることも大切です。

 

あとで後悔するくらいなら、実際に肌で感じてもらう方が工事後のミスマッチも少ないと思います!

 

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今日の話は以上となります。

分からないことがあったらいつでも質問してくださいね!

 




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この記事を書いた人

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン。2児の父。これまでガス機器を10,000台以上販売。その経験を活かし、ブログで日常生活のタメになる情報を発信中。

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