【後悔しない】IHとガスコンロのメリット・デメリット7つを徹底比較

ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。

私は仕事上、新築で家を建てるお客様や、キッチンのリフォームに立ち会う機会が多いのですが、その際にたくさんの質問をいただきます。

IHヒーターって使いやすいの?

ガスコンロとIHヒーターってどう違うの?

キュウタ

キッチンが新しくなるタイミングで一番悩むポイントですよね。

そこで今回はガスコンロとIHヒーターの違いと、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

この記事を書いた人【キュウタ】
キュウタ

<プロフィール>

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン

10年以上給湯器とコンロを売り続けている

ガス機器を累計10,000台以上販売した副業ブロガー

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では、順番に解説していきます。

目次

IHヒーターとガスコンロの違い

スクロールできます
商品メリットデメリット
IHヒーター①熱効率が良い
②火の燃え移りの心配が少ない
③天板がフラットで掃除しやすい
①鍋底の具材が焦げやすい
②ヒーターの表面が焦げてしまう
③専用鍋を使わないと発火のリスクあり
④同時調理の制限がある
ガスコンロ①鍋を振って調理できる
②調理器具を選ばない
③停電時でも使える
④グリルの火力が格段に強い
①火が危ない
②夏場に暑くなりやすい
③お手入れが大変
IHヒーターとガスコンロの違い

IHヒーターとガスコンロの違いをまとめると、上記のようなメリット・デメリットがあります。

では、IHヒーターのメリットからみていきましょう。

IHヒーターのメリット

メリット1.熱効率が良い

熱効率とは「作り出した熱の伝わりやすさ」と考えてください。

IHヒーターの熱効率は約80〜90%なのに対して、ガスコンロの熱効率は約50%~57%です。

ガスコンロは炎によって鍋全体を加熱するため、IHに比べて広い範囲を温めています。

一方で、IHヒーターは鍋の底面と接しており、熱効率は高いわけです。

※ただし、ガスは電気に比べて10倍以上の熱量があるので、ガスの方がより少ないエネルギーで加熱することができます。

【エネルギー別の熱量】

・電気 1kWhあたり860kcal/h
・都市ガス 1m3あたり11,000kcal/h
・LPガス 1m3あたり24,000kcal/h

都市ガスは電気の約12.8倍、LPガスは電気の約27.9倍の熱量を持っています。

つまり「鍋に熱を伝えるのはIHの方が得意」で、「熱を作り出すのはガスコンロの方が得意」ということです。

メリット2.安全性が高い(火の燃え移りの心配が少ない)

IHヒーターは、火を使わずに調理ができるため、火の燃え移りの心配が少なくなります。

ガスコンロでは、ガスが漏れたり、火が消えずに燃え続けたりすることがあるため、火災の原因になることがあります。

一方、IHヒーターは、電気を使う加熱方式で火を使わないため、安全性が高いといえます。

キュウタ

ただし汚れ自体が発火の原因となるケースもあり、必ずしも火災の心配がなくなるというわけではありません。

メリット3.天板がフラットで掃除しやすい

IHヒーターの天板は、ガスコンロと異なりフラットな形状をしています。油や汚れがたまる溝がないため、掃除がとても簡単になります。

ガスコンロの場合、バーナーがあってその周りにゴトクが置かれているため、油や汚れがたまりやすくなっています。

IHは天板がフラットなので、油や食材がこびりついた場合でも、ぬるま湯や中性洗剤を使って拭くだけで、簡単に汚れを落とすことができます。掃除の手間が少ないため、いつでも清潔に保つことができます。

さらに、天板がフラットであることにより、調理時の移動がスムーズになります。特に大きなフライパンや鍋を使う場合も、安定して置くことができます。

IHヒーターのデメリット

ここからはIHヒーターのデメリットについて解説します。

デメリット1.鍋底の具材が焦げやすい

IHヒーターは、鍋底の具材が焦げやすいという問題があります。

ガスコンロの場合、炎を出して鍋全体を温めています。

一方でIHヒーターは、磁気誘導によって鍋底を加熱するため、鍋底の直径がIHヒーターの加熱面積より小さい場合、鍋底の中央部分が焦げてしまうことがあります。

そのため、適切な大きさの鍋を選ぶことが重要です。

鍋底の直径がIHヒーターの加熱面積とほぼ同じ大きさのものや、鍋底が厚くて凹凸の少ないものを使うことで、鍋底の具材を均等に加熱することができます。

デメリット2.ヒーターの表面が焦げてしまう

IHヒーターは表面のガラス面に汚れがたまってしまうと、調理をするたびに汚れが加熱されてしまい、焦げが目立ってしまうことがあります。

また、IHヒーターの周囲にあるプラスチックや金属のパーツが熱くなってしまい、焦げることもあります。

このような問題が起こる原因は、IHヒーターの運転中に発生する熱によるものです。IHヒーターは、高周波の電気磁界を発生させるため、周囲の金属やプラスチックのパーツに電気エネルギーが伝わることがあります。

キュウタ

熱に弱い素材のパーツが変形したり、色あせたり、焦げることがあるため注意が必要です。

ちなみにIHヒーターの表面が焦げてしまった場合は、「コゲ取り名人」がオススメですよ。

ガラストップのコゲ落とし専用クリーナーで、直接塗ってしばらく放置しておけば汚れがキレイに落ちます!ネット価格で1,600円ほどですので、サクッと買って家に1本置いておくのがオススメです。

デメリット3.IH専用の調理鍋を使わないと発火のリスクがある

IHヒーターは、調理鍋に磁力を発生させ、鍋自体を加熱する仕組みになっています。

一方、ガスコンロは火を直接鍋にあてて加熱します。そのため、IHヒーターでは、磁性のない調理鍋を使用すると十分な熱が発生せず火花が散って発火する可能性があります

また、IHヒーターによっては、磁力の強さによってはIH専用の調理鍋でも発火する場合があります。

キュウタ

IHヒーターを使う際には、取扱説明書に記載されているIH専用の調理鍋を使用することが重要です。

デメリット4. 同時調理の制限がある

IHヒーターは電気で動くため、使用できる電気容量に制限があります。

一般的な家庭では、IHヒーターを複数同時に使用すると、電気容量が不足してブレーカーが落ちてしまうことがあります。そのため、IHヒーターを複数使用する場合には、電気容量を確認し、適切に配分する必要があります。

商品によっては同時調理ができない旨を説明書でうたっているものもあります。

これは三菱の売れ筋IHヒーターですが、中央ヒーターとグリルは同時調理できません

3つのヒーターを同時に使うと火力が低下したり、グリルが使用できなかったりする場合があります。

キュウタ

大家族などで一度にたくさんの料理をするご家庭には、4口(3口+グリル)が同時に使えるガスコンロの方が時短につながりオススメです。

ガスコンロのメリット

メリット1. 鍋を振って調理できる

ガスコンロの場合、炒め物をするときに鍋を振って素早くかき混ぜることで、食材を均等に熱することができます。火力調整も簡単にできるため、高火力で調理したい場合にも便利です。

鍋を直接火にかけるため、鍋底と火との距離が近く熱の伝わりがよいため、短時間で調理ができます。また火加減を調整しやすいため、料理の仕上がりも調整しやすいです。

ただし、鍋を振って調理する際には、鍋が転倒して火傷や火災につながるリスクもあるため、注意が必要です。

火力が強いため食材が焦げ付いてしまう場合もあるので、適切な火加減と調理時間を調整することが大切です。

メリット2. 調理器具を選ばない

IHヒーターは、電磁波を使って鍋の底を発熱させるため、鉄製の調理器具を使用する必要があります

一方、ガスコンロは直接火で調理するため、調理器具を選ぶことなく、さまざまな材質の鍋やフライパンを使用することができます。

アルミ製の鍋やフライパンは、IHヒーターでは使えません

鉄製の鍋やフライパンに比べて、アルミ製の調理器具は軽量であるため、取り扱いがしやすく、長時間の調理でも疲れにくいというメリットがありますが、IHでは使えません。

ガスコンロはほとんどのフライパンや鍋を使うことができるので、調理器具を買うときに「ガスコンロで使えるかな」と心配する必要がないのはメリットだといえるでしょう。

メリット3. 停電時でも使える

ガスコンロは電池式のためガスさえ止まっていなければ、停電していてもコンロを使うことができます

停電の状態が長引いてしまうようなときには、食べるものがあるかどうかが重要になってきますよね。

そんなときにIHヒーターしかないと、停電時に調理できず食べられるものが限られてしまいます。ガスさえ止まっていなければコンロで調理できるのは大きなメリットだといえるでしょう。

メリット4. グリルの火力が格段に強い

ガスコンロとIHでは魚焼きグリルの火力が違います。

ほとんどのIHのグリルは「シーズヒーター」を採用しています。

シーズヒーターとは、ニクロム線を絶縁体で包み、金属パイプの中に埋め込んだヒーターのことです。蚊取り線香のように渦巻き状になったニクロム線が発熱し、高温になることで加熱します。

ニクロム線が熱くなってからグリル庫内が温まるまで時間がかかり、食材の表面からじんわり熱を伝えていく仕組みです。

一方、ガスコンロのグリルの特長は、直火(輻射熱)対流熱の両方による加熱ができることです。

ガスバーナーによる「直火」で食材の表面をこんがり香ばしく焼き上げながら、高温の「対流熱」が包み込むように加熱するので、旨みをぎゅっと閉じ込めながらすばやく食材に火を通します。

焼き肉や焼き魚、焼き野菜等を上手に仕上げることができます。

キュウタ

この構造の違いからガスコンロの方が熱の通りが早く、IHヒーターの半分ほどの時間で魚が美味しく焼けます。

サケの切り身2枚であれば、ガスコンロなら約8分ほどで焼けますが、IHヒーターだと約16分ほどかかります。

ガスコンロのデメリット

デメリット1. 火が危ない

ガスコンロは火を使う調理器具なので、どうしても危ないというのがデメリットとなってしまいます。

特に高齢の方や小さいお子様がいるご家庭では、危険な場面が出てくるかもしれません。

キュウタ

お子様には触らないように伝えたりベビーゲートを設置したりということで対策をすることをおすすめします。

デメリット2. 夏場に暑くなりやすい

火を使うガスコンロで調理していると、夏場に暑くなりやすいのは避けることができません。

オープンキッチンやアイランドキッチンなど、開放感のあるキッチンでは暑い空気が逃げてくれますが、クローズドキッチンの場合はこもりやすいため熱中症にも注意が必要です。

デメリット3. お手入れが大変

完全にフラットなIHと違って、ガスコンロは凹凸が多くいくつかのパーツに分かれているためお手入れが楽とはいえません。

キュウタ

ゴトクを毎日外して拭き掃除をしたり焦げ付きを落とすのは、忙しいとなかなか難しいこともありますよね。

ガスコンロからIHへの変更を検討している場合、お手入れが面倒に感じるかどうか、お手入れに時間をかけられる余裕があるかどうかも基準として考えてみると良いでしょう。

個人的には「ガスコンロ」がオススメ

結局ガスコンロとIHヒーターどっちがいいの?

キュウタ

個人的には「ガスコンロ」をオススメします!

ガスコンロはお手入れがしにくいというイメージが根強く残っています。

それはガスコンロでもホーローの安物コンロを使っている人に多くみられます。確かに安物のガスコンロは天板のお手入れもしにくいし、グリルも一回使うとお掃除がめんどくさいです。

しかし!今はガスコンロも進化しています。

便利な調理ボックスを使えば魚や肉が美味しく焼けて、お手入れもボックスを洗うだけでカンタンにできますし、ガラストップを選べば天板のお手入れもラクラクです。

個人的には、値段重視の人なら「ピアットライト」がオススメです。

機能重視の人は「プログレ」がオススメです。

商品の詳細については、別の記事でまとめておりますので下記をチェックしてください。

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まとめ

ガスコンロ・IHのメリットとデメリット

・IHヒーターのメリット
メリット1.熱効率が良い
メリット2.安全性が高い(火の燃え移りの心配が少ない)
メリット3.天板がフラットで掃除しやすい

・IHヒーターのデメリット
デメリット1.鍋底の具材が焦げやすい
デメリット2.ヒーターの表面が焦げてしまう
デメリット3.IH専用の調理鍋を使わないと発火のリスクがある
デメリット4.同時調理の制限がある

・ガスコンロのメリット
メリット1. 鍋を振って調理できる
メリット2. 調理器具を選ばない
メリット3. 停電時でも使える
メリット4. グリルの火力が格段に強い

・ガスコンロのデメリット
デメリット1. 火が危ない
デメリット2. 夏場に暑くなりやすい
デメリット3. お手入れが大変

「ガスコンロとIHヒーターの違いが知りたい」「ガスコンロからIHヒーターへの取替を検討している」という方に向けて、両者のメリット・デメリットについて比較してきました。

どちらにも特長があるので、ライフスタイルやキッチンの形状に合わせて厨房機器を選ぶのも一つの手だと思います。

ちなみに、IHヒーターとガスコンロの光熱費の比較が気になる方は下記の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひチェックしてください!

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今日の話は以上となります。

気になることがあったら、お問い合わせフォームよりいつでも質問してくださいね。

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この記事を書いた人

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン。2児の父。これまでガス機器を10,000台以上販売。その経験を活かし、ブログで日常生活のタメになる情報を発信中。

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