【現役営業が語る】今後のガス業界には発想の転換が必要!直面する課題とは?




 

こんにちは、ガス機器を10年以上販売しているキュウタです。

 

今日はこの業界に転職したい方、また就職活動をされていてこの業界に興味あるなという方向けに「ガス業界」の今後について現役営業マンが先行きについて語っていきます!

 

まずは先行きを語る上で「脱炭素社会」=カーボンニュートラルのことを知っておいてほしいので、少し説明させてください。

 




目次

カーボンニュートラルとは?

これは「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、脱炭素社会の実現を目指す」ことを当時の菅首相が宣言したことに由来します。
「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出量」から、森林などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています

 

この実現に向けて、世界の120以上の国が「2050年カーボンニュートラル」に向けて取り組みを進めております。

ガスは燃焼させると必ず排気が出るので、このカーボンニュートラルとは切っても切れない関係です。

 

ガス業界の今後はどうなるのか?

※ここからは、キュウタの個人的見解も含まれるので一つの意見として読み進めてください。

今後ガス業界はどうなるのか?

 

結論から言えば、「なくなることはあり得ないが、今まで通りのやり方では確実にガス需要は減少する」ということです。

 

ガス業界のライバル的存在と言えば、「オール電化」です。

 

オール電化:IHヒーターやエコキュート等を導入して、調理・給湯・冷暖房などに用いるエネルギーすべてを電気でまかなっている住宅のことですね^ ^

 

オール電化は2017年以降は右肩上がりに伸びており、2020年度見込みで、764万戸がオール電化住宅と言われており、普及率で言えば日本の世帯全体の約20%にあたります。このうち戸建住宅の割合が9割以上を占めており、エリア別にみると北陸、中国、四国、九州では新築戸建住宅の約7割がオール電化と言われております。

 

では、あと30年で残りの80%が全てオール電化になるのか?その疑問については次の章で解説します。

 

ガス業界は無くなるかも?

ガス業界はこのままでは無くなるの?と思われた方もいるかもしれません。

でもそれは、現時点ではありえません。

 

オール電化住宅の給湯設備であるエコキュートは設置スペース的に置けない現場が多々あるからです。

 

オール電化住宅の9割以上は戸建住宅です。マンションやアパートといった集合住宅の採用がすこぶる悪いからです。

理由は単純で、エコキュートや電気温水器といった大型の貯湯式給湯器が置けないからです。

戸建てでも都心で土地が狭くお隣さんとの距離が近いエリアなどは、オール電化が敬遠される傾向にあります。

 

他にも、「電力供給がまかなえない」「原発再稼働の問題」などもあり現実的には日本の総世帯をオール電化にすることはありえないです。

 

ただし、「脱炭素社会」の観点でいえば、ガスは弱い立場になっていくエネルギーです。燃焼する時に必ず排気(CO2)が出るからです。今までと同じ動きをしていては、ガス需要は間違いなく減っていきます。

 

今後ガス業界はどんな取組みをすべきか?

結論から言えば、「CO2を極力排出しない=ガスの消費量が少ない給湯器」をもっと普及させていかないといけません。

 

その観点でいけば、最もガス消費量の少ない給湯器である、「ハイブリッド給湯器」は今後もっと普及していくでしょうし、業界全体でこの商品を売りやすくする土俵を作ってあげないといけないと思います。

 

ハイブリッド給湯器とは?

出典:Rinnai

ハイブリッド給湯器に関しては、

過去に詳しく説明した記事がありますので、
こちらの記事を参考にしてください↓↓

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ハイブリッド給湯器を販売する上での障害は?

この業界ならではの悩みなのですが、

一番の障害は、ずばり「ガス屋さんが嫌がる」です。

 

というのも、ガス屋さんはガスをユーザー(需要家)に使ってもらうことで儲けを出して、生計を立てているので、ガス消費量が極端に落ちるハイブリッド給湯器を嫌がる会社がめちゃくちゃ多いです。

 

機器の販売ももちろん大事ですが、それは一過性の収益。

 

ガス供給は継続的に収益をあげることができる、ガス屋さんの最も大きな収入源ですから、その収入源をわざわざ減らしてまで積極的にハイブリッド給湯器を売ろうとするガス屋さんは非常に少ないわけです。

 

ただ、このカーボンニュートラルの動きで意識を変えなくてはいけない時にきております。

今こう言った脱炭素社会に向けて、ガス消費量の少ない給湯器を売る努力をしなければ、潰れていくガス屋がどんどん出てくると思います。

 

これからガス消費の少ない給湯器に対して、国から補助金が出たりすればますます広がると思います

ガス業界は不安要素も多いことがわかりました。

 

【補足①】今後はオール電化推奨の会社に就職すべきか?

オール電化が追い風なのは間違いないです。ただ、より詳しく理解してほしいのが、エコキュートやIHヒーターを導入するだけでは脱炭素社会には貢献しないということです

 

ガスを使わない=CO2(二酸化炭素)を排出しないわけではないですよね?電気を消費する=電力会社から電気を買う=電力会社の発電方式の大半を占めている火力発電(石油・石炭を燃やして行う発電方式)に頼ることになる=脱炭素になっていない、ということです。

 

なので追い風なのは、オール電化住宅で、かつ太陽光発電システムを推奨している会社ということになります。自家発電・自家消費していきましょう、ということですね。

 

【補足】電力会社における再生可能エネルギー(風力発電・太陽光発電等)による発電比率は現状で18%程度といわれています(2019年時点)。70%以上を火力発電に頼っています。

 

【補足②】自動車業界の動きは?

実は、ガス業界と自動車業界は切っても切れない関係です。ガソリンの副産物としてプロパンガスが作られたりしますし、地場のガス屋さんがガソリンスタンドを経営していることも多いからです。

 

2050年カーボンニュートラル宣言の温室効果ガスの排出量実質ゼロの達成に向けて、政府の今後の実行計画内容の中に「2030年代半ばには国内の新車販売から、純粋なガソリンエンジン乗用車をゼロにする」という目標が盛り込まれる予定となっています。

 

ただし、ハイブリッド車にはモーターが併用されていることから目標に盛り込まれている「純粋なガソリンエンジン乗用車」ではないとされているため、ハイブリッド車の優位性から、ガソリン車からハイブリッド車への乗り換えが今後すすめられていくのではないでしょうか。

 

また、2019年の日本国内での電気自動車の普及率は1%で、40%をハイブリッド車が占めていることから、電気自動車の普及率をあげていくことも簡単ではないだろうと言われています。
出典: カーネクスト

 

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ということで、

今日の話は以上となります!

また気になることがありましたら、いつでも聞いてくださいね。

 




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この記事を書いた人

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン。2児の父。これまでガス機器を10,000台以上販売。その経験を活かし、ブログで日常生活のタメになる情報を発信中。

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