給湯器の「エラーコード290(29)」の原因と対処法(ノーリツ・リンナイ等)

ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。

リモコンにエラー290が出たけど、どうしたらいいの!?

お客様からよくいただく質問です。

エラーコード290(29)は、エコジョーズ特有のエラーです。

エコジョーズとは、高効率型ガス給湯器のことです。

従来のガス給湯器と比べるとお湯を作る効率が約80%→約95%までアップしている、現在主流のガス給湯器のことです。

エラー290は、このエコジョーズの仕組みと密接にかかわっています。

詳しく解説していきます。

目次

エコジョーズ(高効率型ガス給湯器)の仕組み

そもそも基本的なガス給湯器の仕組みが分かっていないと、今日の話は「どういうこと?」で終わってしまうので、簡単に説明します。

ガス給湯器は基本、「瞬間式」と呼ばれる燃焼方式をとっています。

簡単に言えば、「お湯をためたりせずに、瞬間的にお湯を作り出している」ということです。

※電気温水器などは貯湯式なので真逆の方式ですね。

エコジョーズでお湯をつくる流れ

エコジョーズの内部写真

参考までに、エコジョーズがお湯を作るときの仕組みを解説します。

  1. 蛇口を開けると、給湯器の中に水が流れ水量センサーが反応します。
  2. 次に炎を燃やすための空気を取り込むためにファンモータが回り、空気を送ります。
  3. 次に点火をするためにイグナイターで電気を発生させて点火プラグがスパークします。
  4. ガス電磁弁・ガス比例弁が開き、着火します。この4.の動作を行っている場所をバーナーと呼びます。
  5. バーナーの上に、一次熱交換器(缶体)があります。ここは細い配管が張り巡らされており、水が通ると、バーナーの熱によって瞬時にお湯をつくる場所です。
  6. (エコジョーズの場合)一次熱交換器の上に「ニ次熱交換器」を搭載。約200℃の排気熱を利用してお湯を温め直しています。
  7. ニ次熱交換器を温めることで、排気温度が約200℃→約50℃まで下がります。温度が下がることで、排気に含まれていた成分が液体(結露水)となって流れ出します。
  8. この結露水は強酸性の有毒な水なので、一旦中和器の中に入ります。
  9. 中和器には炭酸カルシウムがたっぷり入っているので、結露水が水道水に近い「中性」の状態にして屋外へ排出されます。

エラー290は中和器詰まりのエラー

給湯器のエラー290は、「中和器が何らかの理由で詰まりが発生した」ときに出るエラーです。

中和器といっても、白いタンクの中に炭酸カルシウムが入っているだけのものです。

給湯器がお湯をつくっている間は、中和器の中を常に結露水がチョロチョロ通っていきます。

中和器に「ためる」役割はありません。

それなのに、中和器の中に「結露水がたまっている状態」になると出るエラーが290です。

エラー290の原因と対処法3点

①(中和器につながる)ドレン配管の凍結

ドレン配管とは、中和器の排水が通る配管のことです。

ドレン:空気中の水分やガス中の成分が凝縮したもの。結露水。

【対処法①】

凍結により、ドレン(排水)配管が詰まってしまった場合には、気温が上がり、配管が暖められ、解凍したドレン水が配管から排出されれば、290が消えて復旧します。

【対処法②】

気温が上がるまで待てない!という方は、ドレン配管を温めてみましょう。


ドレン配管にタオルを巻き、お湯を少しずつかけて様子をみてみましょう。


タオルを巻く理由は、急激な温度変化を避けられて、広範囲にお湯を行き渡らせることができるからです。


配管内の排水が解けて、ドレンがポタポタと流れてくれば、エラー表示は解消されるでしょう。

② ドレン配管のゴミ詰まり

ドレンを排出する配管などにゴミが詰まっていないか直接見てみましょう。


給湯器本体の下から伸びるドレン配管(灰色の塩ビ配管やシルバーのフレキ管が多い)がありますので、給湯器を作動させてみて、ポタポタと水が出ているか確認してください。

もしドレン排水が出てこない場合は、配管が詰まっている可能性があります。

【対処法】

ドレン配管の出口に落ち葉や砂利でふさがっていることもありますので、確認してみましょう。

③ 中和器の汚れ詰まり

①②を確認したけど問題がない場合は、中和器自体に汚れが詰まって、適切に排水できていない可能性があります。


給湯器の前面のビスを外すと、中に白い半透明のタンクのような中和器が見えますので、外から見て内部が汚れていないか見てみましょう。


カビやゴミなどで色がついていて、明らかに中和器が汚れている場合は、中和器の清掃もしくは交換が必要です。

【対処法】

メーカーやガス会社に修理依頼してください。中和器の清掃や交換は専門の知識が必要です。

メーカー依頼時の修理費用

修理費用は機種にもよりますが、下記の金額が目安となります。

【修理金額の目安】

部品代 4,000円〜7,500円

・出張費 3,000円〜3,500円

工賃 約5,000円

合計 12,000円〜16,000円

4~5万円を超えるような高額修理にはまずなりませんので、ご安心ください。

まとめ

・エラー290は中和器詰まりのエラー
・エラー290の原因と対処法3点
①(中和器につながる)ドレン配管の凍結
②ドレン配管のゴミ詰まり
③中和器の汚れ詰まり

・メーカー依頼時の修理費用は約12,000円〜16,000円

おすすめ記事

あわせて読みたい
【プロが解説】10年使った給湯器を長持ちさせる方法   ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。   給湯器をできるだけ長持ちさせるには、どうしたらいいの?   お客様からよくいただく質...

今日の話は以上となります。

気になることがあったら、お問い合わせフォームよりいつでも質問してくださいね。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン。2児の父。これまでガス機器を10,000台以上販売。その経験を活かし、ブログで日常生活のタメになる情報を発信中。

目次