ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。
この記事では
ガス給湯器のエラーコード「140」が出たけど、どうしたらいいの?
そもそも何が原因なの?
といった疑問にお答えしていきたいと思います。
ガス給湯器の仕組み
そもそも基本的なガス給湯器の仕組みが分かっていないと、今日の話は「何言ってんの?」で終わってしまうので、簡単に説明します。
ガス給湯器は基本、「瞬間式」と呼ばれる燃焼方式をとっています。
簡単に言えば、「お湯をためたりせずに、瞬間的にお湯を作り出している」ということです。
※電気温水器などは貯湯式なので真逆の方式ですね。
お湯が出るまでの流れ
給湯器の内部写真(キュウタ撮影)
参考までに、「シャワーのお湯が出る」ときの仕組みを解説します。
1.シャワーのじゃぐちを回す
2. 給湯器の中に水が流れ、水量センサーが反応します
3.次に炎を燃やすのに必要な空気を取り込むためにファンモータが回り、空気を送ります。
4.次に点火をするためにイグナイターで電気を発生させて点火プラグがスパークします。この4.の動作を行っている場所はバーナーと呼ばれます。
5.最後にガス電磁弁・ガス比例弁が開き、着火します。そのバーナーの上に、缶体(熱交換器)と呼ばれる部材があります。この缶体の中に、細い配管が張り巡らされており、水が通ると、バーナーの熱によって瞬時にお湯に変わります。
6. ここでできるお湯は60℃~70℃くらいの熱湯なので、最後給湯器の出口あたりで水量サーボによって水をミキシングさせて、設定温度で出湯しています。
こうやって細かく見ていくと、色々な部品が関わっていることが分かります。
エラー140の原因と症状
温度ヒューズのイラスト
エラー140は、缶体(水を熱してお湯にする場所)に取り付けている「温度ヒューズ」が切れた時に出るエラーです。
温度ヒューズとは、中に「はんだ」のような溶けやすい金属が入っていて、温度がある一定の値を超えると溶断される(切れる)ようにできている部品のことです。
分かりやすく言えば、「給湯器に何か問題があるから、温度ヒューズが切れてお知らせしてくれた」ということです。
温度ヒューズを新品に交換すれば直るという簡単な問題ではないのです。
エラー140は、缶体やバーナーの燃焼不良により、すすがたまって、缶体が閉塞ぎみになり(排気の流れが悪くなり)、異常な温度上昇をしているのです。
そのまま缶体を温度上昇させ続けると、缶体に穴が開いてしまうため、それを防ぐために温度ヒューズが切れてエラーが出た、という流れです。
エラー140の対処法
残念ながら、自身でできる対処法はありません。温度ヒューズが切れてしまっている以上、コンセントの抜き差しをしてもお湯は出ません。
メーカーへメンテナンス依頼をかけて頂くしかないですが、かなり高額になると思われます。
経験上、このエラー140が出た場合には
・温度ヒューズ
・缶体
・バーナー
・ファンモーター
この4点を交換しているケースが多いです。
部品代、出張費、工賃も含めると約8万円〜9万円ほどかかる高額修理です。
※もちろん診断してみて、他にも悪い箇所があれば+αで費用がかかってきます。
もし給湯器を10年以上使っていて、このエラー140が出たのであれば、私なら給湯器の交換をおすすめします。
まだ使用5~10年であれば、修理依頼しましょう。
ちなみに給湯器を長持ちさせる方法については、下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
【おすすめ記事】
まとめ
・エラー140は、温度ヒューズが切れた時に出るエラー
・温度ヒューズ、缶体、バーナー、ファンモーターなどをごっそり交換する必要あり
・10年以上ご使用であれば給湯器交換がおすすめ
今日の話は以上となります。
気なることがありましたら、いつでも質問してくださいね。