ガス機器を10年以上販売して生きているキュウタといいます。
最近リフォームを検討されているお客様からよくこんな質問をいただきます。
ガスコンロもIHヒーターもどっちも気になる!
どっちもいい所があって選べない。
そんな方にうってつけのコンロがあります。
それがガスもIHも両方使える「ハイブリッドコンロ」です!
✔ ハイブリッドコンロの販売メーカー4社
✔ ハイブリッドコンロの工事に関する注意点
✔ ハイブリッドコンロのメリット・デメリット
では「ハイブリッドコンロ」のポイントについて順番に解説していきます。
<プロフィール>
一部上場のガスメーカーに勤める30代営業マン
10年以上給湯器とコンロを売り続けている
ガス機器を累計10,000台以上販売した副業ブロガー
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ハイブリッドコンロとは
「ハイブリッドコンロ」とは、ガスの炎とIHの電磁調理が両方使えるコンロのことです。
作る料理に合わせて2つの機能を自在にチョイスでき、中華など強い火力で手早くしあげる料理には「ガス」、長時間の煮込み料理には「IH」と両方のメリットを活用できます。
料理にこだわりたい方におすすめのコンロです。
それぞれのメリットデメリットを補いながら、使い分けができるのが便利ですね!
IHで煮込み料理をしながら、ガスで炒め物などの同時調理ができるので時短にもつながりますね。
ハイブリッドコンロの販売メーカー4社
ではハイブリッドコンロを販売している主要4メーカーをご紹介します。
メーカー | シリーズ | 価格帯 | 特長 |
---|---|---|---|
①クリナップ | デュアルシェフ | 約29万円~ | ※ガス・IHともにタイマー・温度設定機能あり | ※継ぎ目のないフラット天板
②リンナイ | ドミノ式コンロ | 約33万円~ | ※タイマー・温度設定機能なし | ※組合せ豊富でシルバー・ブラックの2色展開
③AEG (アーエーゲー) | ガス・IHクッキングヒーター | 約38万円~ | ※IH側のみタイマー・温度設定機能あり | ※厚さ4mmの薄型ガラストップ
④GAGGENAU (ガゲナウ) | バリオクックトップ | 約55万円〜 | ※タイマー・温度設定機能なし | ※ガスのハイカロリーバーナー
※上記価格帯は1口ガスコンロ+2口IHヒーターの組合せの場合の、楽天市場における最安価格帯を調査したものです(2023年5月現在)。
個人的にはお値段も一番安く、天板の継ぎ目がないクリナップの「デュアルシェフ」が一番オススメです。
そのポイントについて解説していきます。
①クリナップ「デュアルシェフ」
まずはキッチンメーカーのクリナップから販売されている「Dual Chef(デュアルシェフ)」です。
他社にはない最大の特徴として、ガスとIHの間に継ぎ目がありません!
キレイな一体型天板でお手入れもラクラクです♪
そして何といっても便利な「シェフズプレート」が付属です!
焼き魚はシェフズプレートで焼けるので、グリル部分は収納スペースとして使えます。
前後にレイアウトされた2つのIHは同時に加熱でき、シェフズプレートを使って魚やお肉を焼いたりできるので、パーティー用のおもてなし料理にも最適です。
ガスコンロ部でもIHヒーター部でも、タイマー機能や温度設定機能があるので、揚げ物で180℃に設定したり、煮込み料理で30分後に消火するように設定ができます。
価格は約29万円台~入手できますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
②リンナイ「ドミノ式コンロ」
2つ目は、王道のガス機器メーカーRinnai(リンナイ)のハイブリッドコンロ「ドミノ式コンロシリーズ」です。
実はクリナップのデュアルシェフも、AEGのガスコンロも中身はリンナイが作っています。
リンナイの技術力が広く認められているということですね!
ドイツ・ショット社製の耐熱セラミックガラスを採用しており、熱や衝撃に強くお手入れもカンタンです。
他社と違い、天板カラーが唯一選べるのがリンナイブランドの特長です。
ブラックとクリアシルバーの2色展開されていますので、キッチンの色に合わせて選ぶことができます。
・1口ガスコンロ「RD312G11S3」 約16万円~
・2口IHヒーター 「RKD321G11S3」 約16万円~
・連結セット「RBO-72」 約5,000円~
→セット合計約33万円~
セット価格は約33万円台~入手できますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
③ AEG「ガス・IHクッキングヒーター」
3つ目はドイツの高級家電ブランド「AEG(アーエーゲー)」です。
AEGの他社にはない強みは、なんといっても「超薄型天板」!
一般的なガラス天板は厚さが8mmほどありますが、AEGの天板はなんと厚さ約4mmの超薄型仕様です。
フレームレスでシンプルなデザインのため、どんなキッチンにもすっきりと調和します。
キッチン天板とコンロ天板との段差が少ないため、調理作業がしやすく毎日のお手入れもラクラクです♪
・1口ガスコンロ「HG30101B-B-CG」 約20万円~
・2口IHヒーター「AHI326CB」 約17万円~
・連結セット「RBO-72」 約5,000円~
→セット合計約38万円~
セット価格は約38万円台~入手できますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
※AEGの2口IHヒーターは温度設定・タイマー設定を装備していて、揚げ物に便利な細やかな温度設定 60~220℃の14段階に設定できます。
④ガゲナウ「バリオクックトップ」
最後の4つ目は、GAGGENAU(ガゲナウ)の「バリオクックトップシリーズ」です。
ガスコンロ部がハイカロリーバーナー(最大6,000W)なので、高火力での炒め物調理ができます。
通常のガスコンロであれば約3,800Wほどの能力ですので、約1.6倍の高出力です。
メカニカルコックの採用により、火力は最大6,000Wから最小300Wまでの9段階で、本格的な中華料理だけでなくチョコレートを直火で溶かすことも可能です。
・1口ガスコンロ「VG 231 220 JP」 約24万円~
・2口IHヒーター「VI 232 120」 約27万円~
・連結用ジョイントモール「VV 200 010」約4万円~
→セット合計約55万円~
セット価格は約55万円台~入手できますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
※ガゲナウのガスコンロはハイカロリー式ゆえに、100Vコンセントが必要ですのでご注意ください。
開口寸法についての注意点
ハイブリッドコンロは「開口寸法」に注意してください。
開口寸法とは、キッチン天板にガスコンロやIHをはめ込むために開けておく穴のサイズのことです。
ですがハイブリッドコンロのような、組み合わせて自分だけのコンロをつくっていくタイプの調理機器は、その共通サイズには合いません。
ガス1口(2口)+IHヒーター2口のハイブリッドコンロの場合、開口寸法は「幅561mm × 奥行490mm」を標準としています。
オーダーキッチンの場合は何の問題もなくこれらのハイブリッドコンロを入れられますが、システムキッチンやコンロだけの取替の際は難しい場合が多いです。
よく確認してみてくださいね!
工事代は高くなる
工事代は通常のコンロよりも割高になる可能性が高いのでご注意ください。
なぜなら、200V電気工事とガス工事が必要だからです。
・現状IHヒーターをお使いの方 → 200V電源はすでにあるのでガス配管工事が必要
・現状ガスコンロをお使いの方 → ガス配管はすでにあるので200V電源工事が必要
※ガゲナウのバリオクックトップは、200V電気工事とガス工事だけでなく100V電気工事も必要です。
ハイブリッドコンロのメリット3つ
ここからは、ハイブリッドコンロのメリット3つについてご紹介します。
①作る料理に合わせてガスとIHを使い分けできる
汁物やスープなどはIHにまかせて、火であぶり炒めしたい料理のときはガスコンロで調理できます。
作る料理に合わせて使い分けができるので、とても便利ですよね。
ハイブリッドコンロはガスとIHの得意分野を活かして美味しい時短調理ができます。
②調理器具に合わせてガスとIHを使い分けできる
IHは小さい鍋でお湯を沸かすことができます。
IHは鍋の直径に関係なく火力を大きく調節出来るので、沸くまでの時間がとても早いというメリットがあります。
一方でチャーハンや炒め物など、大きいフライパンや中華鍋を高火力でしっかり振りたいときにはガスコンロの方が美味しく調理できます。
調理器具に合わせてガスとIHを使い分けできるのは、とても便利ですね!
③組合せが自由
自分でチョイスして組み合わせるガスとIHのハイブリッドコンロ。
「ガス2口+IH2口」や「ガス1口+IH2口」など、使い勝手に合わせて組合せを自由に変えられるのが魅力ですね。
ガスとIH両方使えるコンロは、「自分でチョイスして組み合わせる」ことになりますので、ただのIHヒーターだけやガスコンロだけよりは、初期費用はかかります。
しかしお料理は毎日のことです。その毎日の料理がストレスなく手軽に時短調理できるなら、必要な初期投資ともいえます。
ちなみに、IHヒーターとガスコンロのメリット・デメリットについては、別の記事で詳しくまとめていますので、下記をチェックしてください!
ハイブリッドコンロのデメリット3つ
メリットに続いて、今度はハイブリッドコンロのデメリット3つについて解説します。
①機能が超シンプル
ハイブリッドコンロの機能は超シンプルです。
簡単に言えば「点火して火加減調節をするだけ」です。
オート調理機能もついていません。
タイマーや温度設定のボタンは、ほとんどのメーカーでついていないため、便利な調理機能がほしい方には不向きといえます。
※クリナップのデュアルシェフはガス・IHともに温度設定・タイマー機能あり。AEGはIHヒーターのみ温度設定・タイマー機能あり。
②魚焼きグリルがない
ハイブリッドコンロには魚焼きグリルがついていません。
これらのIHやガスコンロは、「ドロップインコンロ」と呼ばれる調理機器で、魚焼きグリルはついていません。オプションでつけることもできませんのでご注意ください。
なので当たり前に使ってきたから使いたいという場合には、魚焼きグリルがある普通の3口IHヒーターか、普通の3口ガスコンロを選んでください。
③取替時に機種が選べない
通常の3口ガスコンロや、3口IHヒーターはどこのメーカーを選んでも基本的に機器の寸法が一緒です。
なので取替のタイミングでメーカーを変えたり、グレードを変えるのは簡単にできます。
つまり、ハイブリッドコンロを通常の3口ガスコンロや3口IHヒーターに交換したかったら、キッチンごとリフォームしない限り不可能ということです。
「こんなはずじゃなかった」とならないように注意してくださいね!
ハイブリッドコンロのまとめ
・ハイブリッドコンロとは、ガスの炎とIHの電磁調理が両方使えるコンロ
・ハイブリッドコンロの販売メーカー4つ
①クリナップ「デュアルシェフ」
②リンナイ「ドミノ式コンロ」
③ AEG「ガス・IHクッキングヒーター」
④ ガゲナウ「バリオクックトップ」
・ハイブリッドコンロのメリット3つ
①作る料理に合わせてガスとIHを使い分けできる
②調理器具に合わせてガスとIHを使い分けできる
③組合せが自由
・ハイブリッドコンロのデメリット3つ
①機能が超シンプル
②魚焼きグリルがない
③取替時に機種が選べない
「予算」のほかに、キッチントップにその「スペース」がとれるかどうかの問題もあり、なかなか実現が一筋縄ではいかないのがこのハイブリッドコンロ。
でもガスとIHの併用は「これだけは譲れない!」と思う要素にもなるので、じっくり検討して決めてみてください!
個人的にはお値段も一番安く、天板の継ぎ目がないクリナップの「デュアルシェフ」がハイブリッドコンロの中で一番オススメですよ!
今日の話は以上となります。
気になることがあったら、お問い合わせフォームよりいつでも質問してくださいね。