ガス機器を10年以上販売しているキュウタといいます。
九州エリアに住む方なら誰もが知っているであろう、
九州の大手都市ガス会社「西部ガス」。
今回は個人的にずっと気になっていた、「西部ガス」がなぜ「さいぶ」と読むのかについてまとめました。
西部(さいぶ)ガスとは?
九州圏外の方のために、簡単に「西部ガス」について紹介します。
西部ガスは、福岡県福岡市に本社をかまえる九州最大の都市ガス会社です。
東京ガス、大阪ガス、東邦ガスと共に大手都市ガス4社のうちの1社です。
ガスを供給している需要家件数は約109万件(2020年9月現在)にも及びます。
西部ガスの成り立ちを見ていきます。
1913年(大正2年)に長崎ガス、博多ガス、熊本ガス、小倉ガスなどが合併し、「西部合同瓦斯(さいぶごうどうがす)」が設立されます。
このあと、数社の合併・分離を繰り返しつつ、
1927年(昭和2年)に西部合同瓦斯は東邦ガスに合併されましたが、
1930年(昭和5年)、東邦ガスから再び分離独立して「西部瓦斯(さいぶがす)」が設立され、現在に至ります。
「西部ガス」は約100年近く前から、九州の暮らしを支えていることが分かりました。
西部ガスはなぜ「さいぶ」と読むのか?
「西部劇」は「せいぶげき」と読むし、エリアを表すときに北部、南部、東部、西部エリアと書かれていたら、「西部エリア」は「せいぶエリア」と読みます。
では、なぜ西部ガスは「せいぶ」ではなく「さいぶ」と読むのか?
設立が100年近く前で、当時の資料もほとんど残っていないことから、なぜ「さいぶ」と読むのか明確な理由を結論付けることはできませんでした。
しかしながら、調べるうちに有力な説が3つ出てきましたので、順番に紹介します。
①福岡県に西部(さいぶ)と呼ばれる地名があるため
実は、福岡県田川郡糸田町に「西部(さいぶ)」という地名があります。
地名というものは、地元民に浸透していきます。
福岡に「西部(さいぶ)」と呼ばれる地区がある以上、「西部」を「さいぶ」と読む文化は以前からあったようです。
方言のような地元特有の読み方で、「西部(さいぶ)ガス」と名付けたのかもしれません。
②埼玉県の西武(せいぶ)ガスとの混同を避けるため
西武ガス(せいぶガス)は、埼玉県飯能市に本社を置く、都市ガス・プロパンガスの販売会社のことです。
設立時期は1961年です。
これは設立時期から推測すると、福岡の西部(さいぶ)ガスの設立が1930年。
西部(さいぶ)ガスの方が30年以上早く設立されているため、混同を避けるために読み方を変えたというのは考えにくいでしょう。
この説の可能性は非常に低いです。
③設立当時は西部(さいぶ)の読みが一般的だったため
3つの中では、この説が一番有力と思われます。
西部合同瓦斯(さいぶごうどうがす)の時代から考えると、設立は今から100年以上前になります。
その当時は「西部」は「さいぶ」と読むのが一般的だったのではないか、という説です。
和暦で言うと、明治時代〜大正時代の頃です。
当時は「西部(さいぶ)」と読むのが普通だったと思わせる痕跡がありました。
第20代内閣総理大臣をつとめた高橋是清(これきよ)が、1893年(明治26年)、40歳のときに日本銀行の支店長となるのですが、そのときの配属先が「西部(さいぶ)支店」であったという記述が出てきました。
当時の日銀は本店以外では大阪支店しかなく、西部(さいぶ)支店は2番目の支店であり、主に九州地区と山口県をカバーする役割であったとのこと。
この「西部(さいぶ)」という言葉は、日本の西エリアを広くさす言葉だったのではないか、と推測されます。
九州地方や日本の西エリアは、「西国(さいこく)」や「西海道(さいかいどう)」など、古くから「西(さい)」と読まれていたことからも信用の度合いは高いといえます。
まとめ
【西部ガスはなぜ「さいぶ」と読むのか?】
①福岡県に西部(さいぶ)という地名があるため
②埼玉県の西武(せいぶ)ガスとの混同を避けるため
③設立当時は西部(さいぶ)の読みが一般的だったため
個人的に有力な説は③と考えています。
ある時期までは「西部」は「さいぶ」と読むのがむしろ普通だった、という可能性は高いでしょう。
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